医療機関で働いてみたいけど、医療秘書と医療事務って似てる?何が違うの?
このような悩みを解決します!
医療機関における裏方の事務仕事を担当するのが、医療秘書の主な仕事内容です。
一方で、医療事務の仕事は、直接患者さんと接する仕事です。
今回の記事では、
- 医療秘書と医療事務の違い
- 医療秘書の仕事内容
- 医療事務の仕事内容
- 医療秘書と医療事務の共通点
- おすすめするタイプ診断
などを解説します。
医療秘書や医療事務を目指している方は、ぜひ今回の記事を参考に、どちらが向いているのか検討してみてくださいね!
【現役医療秘書】
- 医療秘書歴16年
- 大病院の病院長秘書
- 秘書検定準1級
- 医科医療事務管理士
医療秘書と医療事務の違いは?
医療事務と医療秘書は、どんな違いがあるのでしょうか?
それぞれの仕事内容を見ていきましょう。
- 医師のサポートがメイン
- 診察に同席してカルテを入力することもある
- ナースステーションで伝票の整理を行うこともある
- 受付業務やカルテ作成のための情報登録、診察の案内など
- 診療報酬の点数計算や明細書(レセプト)の作成といった会計業務
このように、医療秘書と医療事務はメインとなる業務が異なります。
ただ、医療機関によっては、受付や会計業務など医療事務の仕事を医療秘書が兼務している場合もあります。
病院によって多種多様な働き方がありますよ!
医療秘書ってどんな仕事?
医療秘書の仕事は、事務業務、秘書業務、情報管理業務など多岐に渡りますが、主に医師が行う事務的なサポートをします。
医局に配属された場合は「医局秘書」と言われることもありますが、基本的には「医療秘書」と同じ仕事内容です。
医療機関によっては、医療秘書がカルテ入力などをする業務もあるようですが、医療秘書の本来の役割は、医師の事務的なサポートをすることです。
また、一定の条件のもとで設置した医療機関には保険点数が加算されるようになりました。 そのため、大病院を中心に医療秘書の需要が高まっています。
医療秘書には、大きく分けて次の5つの役割があります。
医師のスケジュール管理
医療秘書の仕事の1つ目は医師のスケジュール管理です。
診察予約や来客予約、会議の予定など、医師に関わるすべての予定を入力していきます。
特に多忙な医師の場合はダブルブッキング(重複予約)しないよう注意しながらスケジュールを立てていきます。
私の場合は、Googleカレンダーを各部署で共有していますよ。
電話対応・来客対応
医療秘書の仕事の1つ目は電話対応・来客対応です。
医師宛にかかってきた電話の内容を確認し、医師につなぎます。
アポイントの電話ならスケジュールを見ながら予約を取ります。
来客時はお茶出しや資料の準備、同席する場合は書記をします。
医師宛には悪質な営業の電話も多くあります。医師に繋ぐ前にお断りする判断も必要になります。
リサーチ業務
医療秘書の仕事の3つ目はリサーチ業務です。
多忙な医師に代わり、インターネットなどでリサーチします。
例えば、
- 医師の出張先への交通手段や渋滞情報、宿泊先の予約
- 近隣病院の情報(医師の退任・転任や患者状況など)
- 医師の資料作成のための情報
このように、医師が知りたい情報を調べ、報告します。
リサーチはスピード感を重視するものと、常にリサーチを続ける領域にわかれます。
書類の管理・資料作成
医療秘書の仕事の4つ目は書類の管理や資料作成です。
医師の研究資料の作成や会議の議事録などを作成します。
院内での会議資料も作成するため、WordやExel、Powerpointなどの基本的な操作が必要となります。
また、名刺の管理や契約書の管理なども行うことがあります。
その他、医師会名簿の管理など、あらゆる書類の管理をしています。
医師文書の管理
医療秘書の仕事の5つ目は、医師文書の管理です。
診断書や主治医意見書、処方箋、紹介状など医療に関する書類のファイリングや、入退院手続きに関する書類作成を行います。
各種保険関係書類の作成、退院時要約(退院サマリー)作成などの事務的な補助をします。
私が勤める大病院では、医師文書の管理はクラークが行っています。
クリニックでは医療秘書が兼務しているところも。
病院によって違いがありますね。
医療事務ってどんな仕事?
医療事務の仕事は、医療機関の顔として、主に受付業務やカルテ作成、診察の案内などを行います。
診療報酬の点数計算や明細書(レセプト)の作成といった会計業務も医療事務のお仕事です。
クリニックなど小さな病院では、医療事務が医師の秘書業務をすることもあるようですが、医療事務の本来の役割は、点数計算やレセプト作成など、診療報酬に関わることです。
医療事務には、大きく分けて次の3つの役割があります。
受付・会計業務
医療事務の仕事の1つ目は、受付・会計業務です。
来院した患者さんから保険証を預かったり、診療申込書を書いてもらったり、患者さんを受診科への案内をしたりする仕事です。
初めて受診する患者さんの場合には、カルテの作成や診察券の発行も行います。
会計業務は診療が終了した患者さんから診療費用を受け取る仕事です。
カルテと診療報酬点数表、患者さんが加入している医療保険をもとに請求する金額を計算し、お金を支払ってもらいます。
クラーク業務
医療事務の仕事の2つ目は、クラーク業務です。
クラークは「外来クラーク」と「病棟クラーク」に分けられます。
受付業務、電話応対、患者さんの呼び出し、カルテやレントゲンの準備、検査データの準備をします。
入退院手続きや食事伝票の管理、手術・検査スケジュールの管理などをします。
私の病院では医療事務とクラークは別の人員を配置しています。
医療事務は、点数計算やレセプト作成に特化していますよ。
レセプト業務
医療事務の仕事の3つ目は、レセプト業務です。
診察費を支払うとき、「○割負担」などという言葉を聞いたことがありますよね。
これは、診療費全体の○割が患者負担、残りは国が支払うというシステムです。
このうち、国に支払ってもらう金額を請求する書類が「レセプト(診療報酬明細書)」です。
実際には、「国民健康保険団体連合会」「社会保険診療報酬支払基金」といった、「審査支払機関」に請求を行います。
この仕事は、全国どの医療機関でも必ずありますよ!
どんな人におすすめ?
私は医療秘書と医療事務、どちらが向いているんだろう?
医療関係の事務員をしてみたいけど、自分には医療秘書と医療事務どちらが向いているのか悩んだときは、以下を参考にしてみてください。
医療秘書に向いている人
- 責任のある仕事に就きたいと思っている
- 一般企業での秘書経験を活かして医療の仕事がしたい
- コミュニケーション力を生かしたい
- 病院運営の裏方で貢献したい
また、医療秘書として働くために以下のようなスキルが求められます。
- スケジュール管理能力
- 資料作成やデータ整理をするためのPCスキル(Excel、Wordなど)
- 来客対応などに必要なコミュニケーションスキル
- ある程度の医療専門用語
このようなスキルがあれば、医療秘書に向いていると言えますね。
医療事務に向いている人
- 正確な作業が得意
- 人と接することが好き
- 保険に強くなりたい
- 長く安定して働きたい
また、医療事務として働くために以下のようなスキルが求められます。
- 患者対応などに必要なコミュニケーションスキル
- 専用の医事システムや電子カルテ入力に必要なPCスキル
- 臨機応変に対応するための適応力
- ある程度の医療専門用語
このようなスキルがあれば、医療事務に向いていると言えます。
医療秘書と医療事務の共通点
医療秘書と医療事務の違いを紹介しましたが、2つの職業は共通する点も多くあります。
- 医療従事者として誇りを持って仕事ができる
- 社会的信用度が高い
- 年齢に関係なく働くことができる
- 正社員としても長く勤めることができる
- 景気に左右されず安定している
- 職場が全国のどこにでもあり、自宅近くでも働ける
このように、医療関係で働くことは、一生安定した仕事を手に入れることができるということです。
未経験でも募集しているところが多いですし、一度経験してしまえばどこでも採用されやすいです。
実際に私も、医療秘書として16年間勤めています。
住宅ローンの信用度もバッチリでした!笑
まとめ
この記事では、医療秘書と医療事務の違いを紹介しました。
最後にもう一度まとめておきます。
- 医療秘書の仕事
-
- スケジュール管理
- 電話対応・来客対応
- リサーチ業務
- 書類の管理・資料作成
- 医師文書の管理
- 医療事務の仕事
-
- 受付・会計業務
- クラーク業務
- レセプト業務
これらは基本的な仕事で、医療機関によっては他にも様々な仕事があります。
医療秘書も医療事務も、一生役立つスキルが身に付く魅力的な仕事です。
医療秘書や医療事務として活躍したい方は、専門知識やスキルの証明として資格の取得にチャレンジしてみてくださいね!