そろそろ育休が終わる部下から、「退職します」と言われたことが何度もあります。
「まぁ、その理由なら仕方がないね」と思うこともあれば、「いやいや、嘘でしょ」と思うことも。
そこで今回は、
- 育休明けに退職する場合、「これなら仕方がないな」と思ってくれる退職理由
- 会社の上司や同僚へ、配慮が伝わる言い方
- 育休明けに退職する際、知っておくべき注意点
など、上司を納得させられる理由をまとめてみました。
また、お金のことや有休消化のことなどを知らずに退職していく部下もたくさんいましたので、育休明けに退職する際のポイントについても解説します。
育休明けに退職しようか迷っている間に、ぜひ読んでおいてくださいね。
育休明けの退職に悩んでいるママたちの声
育休明けに退職する女性は増えています。
インターネットでも、「育休明け」と検索すると、続いて「退職」と出てきます。
ネット上での声を集めてみました。
私の経験からも、出産前は復帰する気満々だったけど、出産後に事情が変わって復帰ができなくなる場合が多いですね。
子育てを始めると予想外のことがたくさんありますよね。
また、育休明けに退職することについて批判的な意見もありました。
育休明けに退職することを前提にすることはやめましょう。
育休明けに「これなら仕方ないな」と思わせる退職理由
育休明けに退職を申し出る場合、会社や同僚に納得させる必要があります。
「もともと辞めるつもりだったんだな」と思われないように、適切な退職理由を考えておきましょう。
一身上の都合
育休明けに「これなら仕方ないな」と思わせる退職理由の1つめは、「一身上の都合」です。
これはどのタイミングでも使える理由ですが、育休明けの退職届に書いても問題はありません。
詳しい理由を聞かれるかもしれませんが、「家庭の事情で」や「育児に専念したい」などを伝えれば納得してもらいやすいです。
育児が思ったより大変
育休明けに「これなら仕方ないな」と思わせる退職理由の2つめは、「育児が思ったより大変」ということです。
これは実際の理由として、たくさんのママが感じていることではないでしょうか。
子育ては、特に一人目は想像以上に大変です。フルタイムの仕事が終わって今のように世話をできるのか、心配になりますよね。
職場に同じ境遇の人がいれば、理解してもらいやすいでしょう。
子どもの成長を見続けたい
育休明けに「これなら仕方ないな」と思わせる退職理由の3つめは、「子どもの成長を見続けたい」ということです。
小さな子どもはあっという間に成長します。
初めて歩く瞬間や、初めての言葉。「初めてできる」ことが毎日のようにありますよね。
この時期をどうしても見逃したくないと伝えると、納得してもらいやすいでしょう。
家族のサポートが得られなくなった
育休明けに「これなら仕方ないな」と思わせる退職理由の4つめは、「家族のサポートが得られなくなった」ということです。
例えば、ご主人の職場環境が変わって子育てのサポートを得られなくなったと伝えれば、仕方がないと思われるでしょう。
また、実家のご両親に保育園の送迎を頼んでいたが、状況が変わって頼めなくなったとの理由も、それなら仕方がないですよね。
産後に体調が悪くなった
育休明けに「これなら仕方ないな」と思わせる退職理由の5つめは、「産後に体調が悪くなった」と伝えることです。
実際に、出産・子育てをしているママは体調不良を起こしやすくなります。
「産後うつが続いている」という人も多く聞きます。
そうなると仕事どころではなくなりますよね。
家族から職場復帰を反対されている
育休明けに「これなら仕方ないな」と思わせる退職理由の6つめは、「家族から職場復帰を反対されている」ことです。
産休に入る前は、産んでからも働こうと思っていたけど、いざ復帰が近づくとご主人やご両親から反対されたというパターンも。
家族から反対されているのは自分のせいではないので、話をしやすいでしょう。
保育園に入れなった
育休明けに「これなら仕方ないな」と思わせる退職理由の7つめは、「保育園に入れなかった」と伝えることです。
保育園は増えているとはいえ、まだまだ待機児童の多いエリアもあります。
この場合は、実家のサポートも期待できないということも付け加えましょう。
育休明けに退職する場合【会社への配慮】
育休明けの退職は、どうしても会社に迷惑をかけてしまう部分があります。
そこで、会社への十分な配慮が伝わるよう、心がけておきたいことをまとめました。
誠意をもってお詫びをする
どうしても辞めなければならない理由があっても、会社に伝えるときは誠意を持ってお詫びをしましょう。
「家庭の状況が変わってしまい、復帰をしたくてもできない状況になった。会社に迷惑をかけて申し訳ない」というように、しっかりと言葉と態度で表しましょう。
しっかり詫びることで、あなたが退職した後の印象も悪くならないでしょう。
なるべく早く職場に伝える
退職の意向を示すのは会社の規定によりますが、退職を決めたらなるべく早めに会社に伝えておきましょう。
会社側は人員の補充や業務の見直しが必要になります。
ギリギリまで復帰を期待されていると、あなたも心苦しいですよね。
また、会社が忙しい時期を避けて伝えましょう。
否定的な退職理由を避ける
仮に職場に不満があったとしても、否定的な退職理由は避けましょう。
無駄に悪印象を与える必要はありません。
スムーズに退職するために、「家庭の事情」などの理由に留めておきましょう。
直接会社へ行って口頭で伝える
育休中は難しいかもしれませんが、やはり直接顔を出して上司に退職意向を伝えることをおすすめします。
理由は、誠意が伝わるからです。
電話で話したとしても、どの道退職手続きは会社に足を運ぶことになります。
それなら、初めからきちんと顔を合わせてしっかりと口頭で伝えておくと、後の手続きも一日で終わる可能性があります。
育休明けに退職する場合【上司、先輩、同僚への配慮】
育休明けに退職することを決めた場合、一緒に働く上司や先輩、同僚に一番迷惑をかけてしまうかもしれません。
嫌な雰囲気を残さないために、以下のことにも配慮しておきましょう。
仕事仲間への感謝の気持ちを伝える
一緒に働いてきた仲間は、あなたの復帰を待っていることと思います。
当たり前のように辞めることを伝えると、信頼関係が一気になくなります。
「もう辞めるから関係ない」と思わずに、人として一生懸命感謝の気持ちを伝えましょう。
周りに迷惑をかけることを詫びる
あなたの復帰を待っている仕事仲間にとって、突然退職することを聞かされると、仕事の段取りが崩れてしまいます。
退職を決めたら、早めに意向を伝えましょう。
そして、必ず「迷惑をかけてしまい申し訳ない」という気持ちを伝えましょう。
育休明けの退職は法的に問題がない?
育休明けに退職することは、法的に問題があるのでしょうか?
結論として、法律的には何も問題はありません。
育児休業の手当は、復帰を前提としているものですが、やむを得ず退職することもあります。
だからと言って、法的には何の問題もありません。
ただし法律上は、
退職したい日の2週間前まで
とされていますが、会社側からすれば2週間で次の人材を探すのは困難です。
ですので、ほとんどの会社で、
退職日の1ヶ月前に退職届を提出する
という規定があるはずです。
相手の気持ちを汲み取り、できるだけ早めに伝えておくことがベストです。
あなたの会社の規定をしっかり確認しておきましょう。
育休明けに退職する場合の注意点
それでは、育休明けに退職した場合の注意点も確認しておきましょう。
社会保険料の免除がなくなる
育休明けに退職する場合の1つ目の注意点は、社会保険料の免除がなくなることです。
また、社会保険料の免除についても、会社に在籍している期間のみとなります。
退職すると配偶者の扶養に入るか国民健康保険・国民年金への加入が必要です。
国民年金は、あなた自身が第1号被保険者であれば、出産の前後4ヶ月分は免除されますが、国民健康保険には免除制度がないので注意しましょう。
退職日が1日ずれると育児給付金が1ヶ月分もらえない
育休明けに退職する場合の2つ目の注意点は、退職日によって育児給付金が1ヶ月分もらえないことがあるということです。
退職日によっては、育児給付金が1ヶ月分損する可能性があります。
あなたの育休スタートはいつでしたか?
例えば1月1日なら、退職日はいずれかの月の、2日か3日に設定することをおすすめします。
なぜなら、育児給付金の支給期間が以下のように決まっているからです。
育休開始日が1月1日だった場合
- 1か月目の支給期間:1月1日~1月31日
- 2か月目の支給期間:2月1日~2月28日
- 3か月めの支給期間:3月1日~3月31日 ・・・・・
そして、退職日が1日違う日ならどうなるでしょうか。
10月31日に退職を申し出た場合
11月1日~11月30日の分は支給されません。
11月1日以降に申し出た場合
11月1日~11月30日の分が支給されます。
たった1日申し出が早かっただけで、1か月分の受給が出来なくなる可能性がありますので、タイミングを考えておきましょう。
有休の残日数を確認しておく
育休明けに退職する場合の3つ目の注意点は、有休の残日数を確認しておくことです。
有給消化は、退職してしまうとできなくなってしまいます。
有休が余っている場合は、退職前に消化するよう調整します。
「育休明けに退職するんだから、有休なんていらないでしょ」と言われるかもしれませんが、これは違法です。
でもやっぱり気が引けるというなら、無理に取得する必要もありません。
時短勤務への転職はハードルが高め
育休明けに退職する場合の4つ目の注意点は、時短勤務への転職はハードルが高めということです。
育休明けに時短勤務できる職場へ転職することを考えている人もいると思います。
しかし、ハードルが高いと言われています。
なぜなら、入社後1年未満の従業員については、時短勤務制度の対象外になる会社が多いからです。
転職先で時短勤務を利用できるのかを確認した上で、判断しましょう。
仕事にブランクがあくと再就職が難しい
育休明けに退職する場合の5つ目の注意点は、仕事にブランクがあくと再就職が難しいということです。
今は子育てに集中して、小学生になってからまた正社員で働きたいと思っても、キャリアが中断すると仕事が見つからない可能性もあります。
特別な資格なスキルがあれば良いのですが、なかなか思うようなところが見つからないかもしれません。
まとめ
今回は、育休明けに退職理由について、これなら仕方がないなと思ってもらえる理由をまとめました。
育休明けに退職することは、法律的に何の問題もありません。
しかし、一緒に働いてきた仲間や、あなたの復帰を望んでいた会社に対しては、誠意をもって詫びるという姿勢をもつことが大切です。
お互い嫌な思いをせずに済むように、しっかりと準備をしておきましょう!